誰にも言えない悩みがあるとき、どうするか
誰にも言えない悩みは、悩みの内容そのものより、言えないという状態のほうが重くなっていきます。だから最初にやることは、解決策を探すことではなく、自分が何を理由に言えずにいるのかを見分けることです。
この記事では、言えない理由を4つに分けて、それぞれで打つ手が違うことを書きます。そのうえで、相談する場合と、相談しないまま扱う場合の両方に触れます。
抱えている負担は、悩みの重さだけではない
誰にも言えない悩みを抱えているとき、人は悩みそのものと、それを隠し続ける作業の2つを同時に背負っています。
その話題になりそうな場面を避ける。聞かれたときの答えを用意しておく。大丈夫そうな表情を作る。ひとつひとつは小さくても、これが毎日、何か月も続きます。悩みの中身が何も変わっていないのに、時間が経つほどしんどくなっていくのはこのためです。
眠れない、集中が続かない、人に会うのが億劫になる。こうした形で出てくることもあります。自分では「たいした悩みでもないのに情けない」と思いがちですが、消耗しているのは悩みの大きさではなく、隠している期間の長さのほうです。
言えない理由は、だいたい4つに分かれる
「誰にも言えない」とひとことで言っても、詰まっている場所は人によって違います。まずどれなのかを見分けると、次にやることが変わります。
1. 相手を傷つけるから言えない
家族への不満、友人への違和感、パートナーへの気持ちの変化。話す相手がその話の当事者だったり、身近すぎたりする場合です。言えば関係が変わってしまうとわかっているので、口を閉じる判断そのものは間違っていません。
2. 自分の評価が変わるから言えない
仕事でついていけていない、家庭がうまくいっていない、お金のこと。話せば「そういう人」として見られる可能性があるものです。職場や、長い付き合いの友人ほど言いにくくなります。
3. まだ言葉になっていないから言えない
誰かに聞いてほしい気持ちはあるのに、いざ話そうとすると何から言えばいいかわからない。この場合、詰まっているのは相手ではなく、自分の中の整理です。相談相手を探しても解決しません。
4. 相談しても解決しない種類の悩みだから言えない
答えが出ないとわかっている、あるいは自分で決めるしかないと知っている悩みです。話しても「大変だね」で終わってしまうことが目に見えているので、話す気になれません。
どれなのかで、次にやることが変わる
相手を傷つけるから言えない場合と、評価が変わるから言えない場合は、相手選びの問題です。悩みを話せないのではなく、その相手には話せないというだけなので、利害関係のない相手を探すのが早道になります。守秘義務のあるカウンセラー、匿名の相談窓口、事情を知らない相手。距離があるほど話しやすくなります。
言葉になっていないから言えない場合は、相手を探しても進みません。人に伝わる形にする前に、自分の中で起きていることを先に並べる必要があります。順番としては、整理が先で相談が後です。
相談しても解決しないから言えない場合は、聞いてもらうことに期待していない状態です。この場合に必要なのは助言ではなく、自分がすでに持っている答えを認めることだったりします。
相談するなら、距離が遠い相手ほど話しやすい
話す相手を探すなら、距離が遠い相手ほど話しやすくなる、という原則だけ覚えておけば足ります。事情を知っている相手ほど話は早いのですが、そのぶん関係が変わるおそれも大きくなります。
ノート・匿名の掲示板やSNS・悩み相談アプリ・カウンセリング・公的な相談窓口。この5つが何に向いていて何に向いていないのかは、「悩みを吐き出す場所がないときの選択肢」で比べました。
言わないまま、自分で扱う方法もある
誰かに話すこと以外にも、抱えているものを外に出す方法はあります。
ひとつは書くことです。紙に書き出すと、頭の中でぐるぐるしていた考えの量が確定します。頭の中にあるうちは無限に見えていたものが、書いてみると数行しかないことも珍しくありません。手順は「気持ちの整理がつかないときに、書き出して整理する方法」にまとめました。
もうひとつは、外から問いを受け取ることです。一人で考えていると、同じ道筋を何度も通ってしまいます。自分では出てこない角度から質問されると、そこで初めて別の考えが動きます。ひそひそタロットは、書いた悩みとカードをAIが読み合わせて返すWebサービスです。無料リーディングは登録不要・匿名で、誰にも読まれないまま試せます。
つらさが強いときは、専門の窓口へ
眠れない状態が続く、食事がとれない、消えてしまいたいと思う。こうしたときは、自己理解の道具ではなく、人の助けが必要な段階です。
厚生労働省の「まもろうよ こころ」に、匿名で使える窓口がまとめられています。話す内容がまとまっていなくても、そのまま連絡して大丈夫です。
本音そのものが出てこなくなっている場合は、「本音が言えないとき、心の中で起きていること」もあわせてどうぞ。
よくある質問
- 誰にも言えない悩みを抱えていると、どんなストレスがかかりますか?
- 話す相手がいない負担に加えて、隠し続けるための負担がかかります。人前でその話題を避ける、表情を作る、聞かれたときの受け答えを用意しておく。こうした作業が日常のあいだずっと続くため、悩みの内容が変わらなくても消耗していきます。眠れない、集中が続かない、人と会うのが億劫になるといった形で出てくることがあります。
- 誰にも言えない悩みは、無理にでも誰かに相談したほうがいいですか?
- 相手を選べないなら、無理に話す必要はありません。話した内容がどう扱われるかわからない相手に打ち明けると、悩みの上に新しい心配が乗るだけになります。ただし、安全が脅かされている場合や、死にたい気持ちがあるときは例外です。そのときは身近な人ではなく、守秘義務のある専門の窓口へ連絡してください。
- 相談したいのに、いざとなると言葉が出てきません。
- その状態は、相談する意思がないのではなく、まだ言葉になっていないだけのことが多いものです。人に伝わる形にする前に、自分の中で何が起きているのかを先に整理する必要があります。紙に書き出す、時系列で並べる、何に困っているのかだけを一行で書いてみる。順番としては、整理が先で相談が後になります。
- 誰にも言えない悩みを匿名で相談できる場所はありますか?
- あります。厚生労働省の「まもろうよ こころ」には、電話やSNSで匿名のまま相談できる窓口がまとめられています。民間では、匿名の悩み相談アプリやオンラインカウンセリングがあり、有料のものほど守秘義務と相談員の資格がはっきりしています。無料で誰でも書き込める掲示板は、匿名性は高い一方で、返ってくる言葉を選べません。