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本音が言えないとき、心の中で起きていること

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本音が言えないのは性格の問題ではなく、言葉にした瞬間にそれが自分の本当の気持ちとして確定してしまうのを避けている状態です。

本音が言えないのは、性格が弱いからでも、人付き合いが下手だからでもありません。言葉にした瞬間に、それが自分の本当の気持ちとして確定してしまう。それを避けている状態です。

口に出す前なら「まだ迷っているだけ」でいられます。でも一度言ってしまえば、撤回できません。だから黙っている。そういう仕組みで動いていることが多くあります。

会社で本音が言えないとき

職場で本音が言えないのは、言ったあとも関係が続くからです。友人なら距離を置けますが、同じ部署の人とは明日も顔を合わせます。

「この進め方はおかしいと思います」と言えないのは、意見そのものより、言ったあとの空気を引き受けられる自信がないからです。実際、正しいことを言った人が浮いてしまう場面を、多くの人が見てきています。だから黙るのは、臆病ではなく計算です。

問題は、その計算を続けているうちに「自分が本当はどう思っていたのか」がわからなくなることです。言わない状態が長いと、言葉になる前の段階で気持ちが消えていきます。

恋人や家族に本音が言えないとき

近い相手ほど本音が言えなくなるのは、失うものが大きいからです。

職場なら関係が悪くなるだけですが、恋人や家族は、言ったことで相手が傷つく姿を直接見ることになります。「重い」と思われるかもしれない。がっかりされるかもしれない。その想像が、言葉を止めます。

ここで起きやすいのが、我慢を重ねたあとに、まったく別のきっかけで一気に噴き出すことです。本人にも、なぜ今それを言っているのかわからない。溜めていたものが、形を変えて出てきているからです。

「言えない」と「言わない」は違う

本音を扱うときにいちばん役に立つのは、「言えない」と「言わない」を分けて考えることです。

「言わない」は選択です。自分の中では気持ちがはっきりしていて、その上で口に出さないと決めている。これはむしろ健全で、大人の距離の取り方でもあります。

「言えない」は、選ぶ前の段階で止まっている状態です。自分でも何を言いたいのかわからない。だから伝えようがない。しんどさが強いのは、こちらのほうです。

※ 見分け方はひとつです。「言わないと決めた理由」を自分に説明できるなら「言わない」。説明できずにモヤモヤが残るなら「言えない」です。

一人で本音に触れる方法

「言えない」の状態から抜けるには、相手に伝える前に、自分の中で言葉の形にしておく必要があります。

おすすめは、誰にも見せない前提で書き出すことです。書く相手がいないぶん、正直に書けます。「疲れた」で止めずに、「何に疲れたのか」「本当はどうしてほしかったのか」まで書き足すと、輪郭が出てきます。詳しくは「気持ちの整理がつかないときに、書き出して整理する方法」に書きました。

それでも手が止まるときは、問いかけてくれるものを間に挟むと動くことがあります。ひそひそタロットの無料リーディングは、その受け取り手を人ではなくカードとAIに置き換えたものです。相手が人間ではないので、重いと思われないか、がっかりされないかを気にせずに書けます。出たカードに「それは違う」と感じたなら、その反発そのものが本音の手がかりになります。この仕組みについては「タロットは当たるのか。心理学から見た仕組み」に書きました。

しんどさが続くときは、一人で抱えない

本音を言えない状態が長く続くと、消耗は少しずつ溜まります。泣きたいわけではないのに涙が出る、些細なことで動悸がする、休んでも疲れが抜けない。本音を言えない状況が続くとき、繊細さを自覚している方(HSPという言葉で自分を説明する方も含めて)ほど、この消耗が早く出ることがあります。それ自体は病気ではありませんが、体に出はじめたら一人で抱えるのをやめる目安です。

眠れない、食べられない、気持ちが落ち込んだままといったことが重なっているときは、書き出すことで扱える範囲を超えています。

厚生労働省の「まもろうよ こころ」に、電話やSNSで相談できる窓口がまとめられています。匿名で使えるものが多くあります。

※ このサービスでは、生命や病気にかかわる重大なご相談、診断や治療にあたる内容はお受けしていません。詳しくはよくあるご質問をご覧ください。話せる場所を探している方は、「悩みを吐き出す場所がないときの選択肢」もあわせてどうぞ。

よくある質問

本音が言えないのは、性格の問題ですか?
性格の問題ではありません。言葉にした瞬間に、それが自分の本当の気持ちとして確定してしまうことを避けている状態です。口に出す前なら「まだ迷っているだけ」でいられますが、一度言えば撤回できません。だから黙る、という仕組みで動いていることが多くあります。
職場で本音が言えないのは、我慢するしかないのでしょうか?
言わないこと自体は悪くありません。職場は言ったあとも関係が続く場所なので、黙るのは臆病ではなく計算でもあります。問題になるのは、その状態が長く続いて「自分が本当はどう思っていたのか」がわからなくなることです。伝えるかどうかとは別に、自分の中では言葉にしておくことをおすすめします。
「言えない」と「言わない」は、どう見分けますか?
「言わないと決めた理由」を自分に説明できるなら「言わない」です。これは選択なので健全です。説明できずにモヤモヤが残るなら「言えない」で、選ぶ前の段階で止まっている状態です。しんどさが強いのは後者のほうです。
本音を書き出すとき、何から書けばいいですか?
「疲れた」「しんどい」で止めず、「何に疲れたのか」「本当はどうしてほしかったのか」まで書き足してください。誰にも見せない前提で書くと正直に書けます。うまく書こうとせず、順番も文法も無視して浮かんだ言葉をそのまま置いていくほうが、本音に近いものが出てきます。

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