タロットを自分で占うと当たらない理由と、読みを安定させる手順
タロットは自分で占えます。自分で占うと当たらないと感じる原因は、多くの場合カードではなく読み手の側にあり、代表的なのは「欲しい答えに合わせて意味を選ぶ」「不安なときに悪いほうに読む」「出来事で当たり外れを判定する」の3つです。どれも、自分のことを自分で読むときに起きやすいずれ方です。この記事では、その3つの理由と、一人で読むときに読みを安定させる手順を書きます。
自分で自分を占うことはできるのか
自分のことを自分で占うのは、タロットの使い方としてごく普通のことです。
「占い師は自分を占えない」という言い方を耳にすることがありますが、禁止されているわけではありません。この言葉は、自分のこととなると冷静に読むのが難しい、という意味で使われることが多いようです。他人の悩みなら距離を置いて眺められるのに、自分の悩みは結果に期待や不安がかかっているぶん、読む目が揺れます。
つまり問題は「占えるかどうか」ではなく、「読みがずれやすいかどうか」です。ずれ方にはよく見られるパターンがあるので、それを知っておけば対策が立てられます。
自分で占うときの基本の流れ
自分で占うときの基本の流れは、質問を決める、カードを混ぜる、1枚引く、読みを書き出す、の4つです。
- 聞きたいことを一行の質問にする
- 質問を頭に置いたまま、カードをよく混ぜる
- 1枚引いて、意味を調べる前に絵をしばらく見る
- 絵から受けた印象と、質問への答えを書き出す
はじめは1枚で十分です。慣れてきたら、過去・現在・これからの3枚を並べる引き方もあります。1枚引きの手順や、イエス・ノーの判定のしかたは「ワンオラクル(タロット一枚引き)とは。やり方と読み方」で詳しく説明しています。
自分で占うと当たらないのはなぜ?3つの理由
自分で占って当たらないと感じるのは、多くの場合、欲しい答えに合わせて意味を選ぶ、不安なときに悪いほうに読む、出来事で当たり外れを判定する、のどれかが読み手の側で起きているためです。
1. 欲しい答えに合わせて、意味を選んでしまう
自分のことを占うと、カードの意味の中から「そうであってほしい」ものを無意識に選びやすくなります。
ほとんどのカードには複数の意味があります。他人のために読むときは、悩みの内容に照らしてどれを取るか考えます。ところが自分のことだと、望む結論に合う意味のほうに目が向きます。心理学で「確証バイアス」と呼ばれる、自分の考えに合う情報を集めやすい傾向です。
たとえば「この恋は続くか」と聞いて「塔」が出たとします。塔は、突然の崩壊や、思い込みが崩れることを表すカードです。ここで「関係が壊れるのではなく、古い思い込みが壊れて関係が新しくなるという意味だ」と読み替えれば、最初に望んでいた結論に戻れます。どんなカードが出てもこうして同じ場所にたどり着くので、カードは何も新しいことを言っていないように見え、「当たらない」という感覚が残ります。
2. 不安が強いときに引いて、悪いほうに読んでしまう
不安が強いときに引いたカードは、どれも悪い知らせに見えやすくなります。
不安が強いときは、あいまいな情報を悪いほうに受け取りやすくなる傾向があることが、心理学の研究で知られています。タロットの絵はもともと解釈の幅が広いので、この傾向がそのまま読みに出ます。不安で眠れない夜に引いたカードを、落ち着いた日に見直すとまったく違う読みになるのはこのためです。読むたびに答えが変わると感じるなら、カードより先に、引いたときの自分の状態を疑ってみてください。
3. 出来事で「答え合わせ」をしようとする
出来事が予想どおりになったかどうかだけで当たり外れを決めていると、当たらない感覚は強くなります。
たとえば「来週の面接はうまくいくか」と聞いて「星」を引き、希望のあるカードだから大丈夫と読んだのに、結果は不採用だったとします。出来事の予想としては外れです。ただ、星を見てすぐに「うまくいく」と思えたことは、自分がその会社に本気で希望を持っていた、という事実を映しています。次の応募先を考えるときに役に立つのは、むしろこちらの情報です。
タロットは、未来の出来事を言い当てる道具として使うより、いま自分がその件をどう見ているかを確かめる道具として使うほうが、手応えが出やすいものです。当たったと感じるときに心の中で何が起きているかは、「タロットは当たるのか。心理学から見た仕組み」で詳しく説明しています。
自分で占うときに、読みを安定させる6つの手順
自分で占うときの読みは、引く前と引いたあとに少し手間をかけるだけで、ずいぶん安定しやすくなります。
- 質問を紙に書いてから引く
- 「出てほしくない答え」も書いておく
- 友人に相談されたつもりで読む
- 心が大きく揺れているときは引かない
- 引いた結果と自分の読みを記録する
- 同じ質問は、状況が変わるまで引き直さない
1つ目の理由(欲しい答えに寄せる)には2番目と3番目の手順が、2つ目の理由(不安で悪く読む)には4番目が、3つ目の理由(出来事で答え合わせ)には5番目が、特に効きやすい対策です。
1. 質問を紙に書いてから引く
質問は頭に浮かべるだけでなく、引く前に一行で書いておくと、あとから変わらなくなります。
書かずに引くと、カードを見たあとで質問のほうが少しずつ変わります。「転職すべきか」と思って引いたのに、出たカードに合わせて「いまの職場で何を変えるべきか」に読み替えてしまう、というようにです。
2. 「出てほしくない答え」も書いておく
質問と一緒に「こういう答えが出たら嫌だ」と思うことも一行書いておくと、自分が本当に望んでいる答えに気づけます。
望む答えがわかっていれば、カードを読むときに「いま自分は都合のいい意味を選んでいないか」と立ち止まれます。欲しい答えに寄せてしまう読み方への、特に効きやすい対策です。
3. 友人に相談されたつもりで読む
カードを見たら、同じ質問を友人からされたら何と答えるかを考えて、その答えを書いてみてください。
他人の悩みなら、私たちは比較的冷静に読めます。自分のことだと選びがちな都合のいい意味から、一歩離れられます。2番目の「出てほしくない答え」と並べて見ると、自分の願いとカードの読みがどこでずれているかがわかりやすくなります。
4. 心が大きく揺れているときは引かない
強い不安や怒りの中で引いた結果は、そのときの気分に引きずられるので、動揺が大きいときはまず一晩置いてください。
どうしても、いますぐ引きたいときは、引いたあと結論を出さずに、翌日もう一度その読みを見直します。翌日の自分がまったく違う受け取り方をするなら、前の晩の読みは気分のほうを映していたと考えられます。
5. 引いた結果と自分の読みを記録する
日付、出たカード、そのときの自分の読みを一行ずつ残しておくと、あとで自分の読み方の癖に気づけます。
ノートでもスマホのメモでもかまいません。長く書く必要はなく、「塔・怖い・転職の話」くらいで十分です。1〜2週間たってから読み返すと、いつも悪いほうに読んでいる、同じテーマばかり聞いている、といった癖が見えてくることがあります。出来事が当たったかどうかより、この癖に気づくことのほうが、自分で占う意味としては大きいものです。
6. 同じ質問は、状況が変わるまで引き直さない
同じ質問を引き直すのは、状況が実際に動いたあとにしてください。
納得できない結果が出ると、引き直したくなります。ただ、望む答えが出るまで引き直すと、最後に残るのは「自分はこの答えが欲しかった」という事実だけです。引き直したくなる気持ちが強いときに何が起きているかは、「占いに頼りすぎてしまうとき、何が起きているのか」にまとめています。
自分で読むのが難しいときは、別の読み手を挟む
自分のことを自分で読む難しさは、手順を守っても完全にはなくなりません。
特に、悩みが深いとき、何度引いても同じところで迷っているときは、自分の読みの外に出るのが近道です。信頼できる人に、引いたカードと自分の読みを話してみるだけでも、自分では気づかなかった見方が返ってきます。
人に話しにくい内容なら、別の読み手を借りる方法もあります。ひそひそタロットは、悩みを書くと、引いたカードとあわせてAIが読み解くWebサービスです。無料のリーディングは登録不要・匿名で、大アルカナ22枚から3枚を引きます。自分で読んだ結果と並べてみると、自分では気づかなかった偏りが見えてくることがあります。
自分で占う時間を、自分を知る時間にする
自分で占って当たらないと感じたときは、外れたことより、なぜそう読んだのかに目を向けてみてください。
欲しかった答え、怖かった答え、つい選んでしまう意味。それらはどれも、カードではなく自分の中にあったものです。自分で占うことの面白さは、そこに気づけるところにあります。
カードを使わずに考えを整理したいときは、「気持ちの整理がつかないときに、書き出して整理する方法」も参考にしてください。
よくある質問
- タロットで自分のことを占うのはよくないと聞きましたが、本当ですか?
- 自分を占ってはいけないという決まりはありません。そう言われるのは、自分のこととなると冷静に読むのが難しいためです。質問を紙に書いてから引く、出てほしくない答えも先に書いておく、友人に相談されたつもりで読む、といった手順を取れば、自分のことでも落ち着いて読みやすくなります。
- 自分で占うと、毎回答えがばらばらに感じます。どう受け取ればいいですか?
- 引くたびに違うカードが出るのは自然なことです。答えがばらばらに感じられるのは、引くたびに質問の意味や自分の気持ちが少しずつ変わり、読み方も変わっていることが多いためです。質問を一行で書いて固定し、同じ質問は状況が変わるまで引き直さないようにすると、読みが落ち着きやすくなります。
- カードの意味を全部覚えていなくても、自分で占えますか?
- 覚えていなくても始められます。最初は大アルカナ22枚だけを使い、解説を見る前に絵から受けた印象を一言書いてから意味を調べてください。この順番で続けると、意味は引く回数に合わせて自然に覚えていけます。
- カードを持っていなくても、自分で占うことはできますか?
- 無料の占いサイトやアプリでカードを引くこともできます。ただし、画面の解説文をそのまま答えとして受け取ると、自分で読む部分がなくなります。解説を読む前に、出たカードの絵を見て自分がどう感じたかを一言書いておくと、自分で占う意味が残ります。
- 自分で占うたびに、かえって不安が強くなります。やめたほうがいいですか?
- 引くたびに不安が増すなら、しばらくカードから離れてかまいません。占いは、気持ちを整理するために使えているあいだだけ役に立ちます。結果が気になって眠れない、仕事や生活に支障が出るといった状態が続くときは、占いではなく、医療機関や公的な相談窓口に話すことをおすすめします。