「この仕事、向いてないかも」と思ったときに確かめること
仕事が向いていないと感じるとき、その中身には「仕事の内容が合わない」「特定の人との関係がつらい」「心身が消耗している」の3つが混ざっています。どれが効いているかで打つ手はまったく違うのに、混ざったままだと「自分がダメなのかもしれない」という一つの結論になりがちです。この記事では、その切り分け方を書きます。
向いていないのか、まだ慣れていないだけなのか
仕事が向いていないのか、まだ慣れていないだけなのかを分ける最初の基準は、そのつらさが時間で解決する種類のものかどうかです。
新しい仕事は、始めた直後がいちばん苦しくなります。手順を覚えていないので一つひとつに時間がかかり、確認の回数も多く、できていないところばかりが見えます。この状態は、向き不向きとは関係なく起きます。
目安として、次のように分けると見分けがつきます。
- 同じ作業の所要時間が、先月より短くなっているか → 短くなっているなら、慣れの途中です
- 困る場面が、毎回違う場所で起きるか、いつも同じ場所か → 違う場所なら経験不足、いつも同じ場所なら適性の話に近づきます
- できるようになったあとも、やる気が戻らないか → 慣れても戻らないなら、内容そのものが合っていない可能性があります
3か月で判断するといった期間の目安がよく言われますが、仕事の種類によって覚える量はまったく違います。期間より、上の3つが前より動いているかで見るほうが確かです。
「向いてない」の中身は、3つに分かれる
「仕事が向いていない」という感覚の中身は、仕事の内容が合っていない・特定の人との関係がつらい・心身が消耗している、の3つに分かれます。同じ言葉で語られていても、原因が違えば対処も変わります。
1. 仕事の内容が合っていない
細かい確認作業が続くのが苦しい、人と話し続けるのが消耗する、といった作業の性質の話です。この場合、会社を変えても職種が同じならあまり変わりません。
2. 特定の人との関係がつらい
上司や同僚との関係が原因のとき、人は「仕事が向いていない」と受け取りがちです。判定の方法は簡単で、その人がいない日の仕事を思い出してみることです。それなら続けられると思うなら、仕事ではなく関係の問題です。職場での関係のつらさは「職場で孤独を感じるとき、何が起きているのか」にまとめました。
3. 心身が消耗している
睡眠が足りていない、休みが取れていない状態では、どんな仕事も向いていないように感じます。この状態で適性を判断すると、ほぼ確実に「向いていない」という結論が出ます。消耗しているときの判断は、判断ではなく症状に近いと考えて、先に休むほうが結果的に速い道です。
人に言われた「向いてない」をどう扱うか
他人が言う「向いてない」は、その人が見た範囲の感想であって、判定ではありません。
上司や先輩に言われた言葉は重く残ります。ただ、相手が見ているのは、あなたの仕事のうち相手の目に入った部分だけです。その日の機嫌や、相手自身の余裕のなさも混じります。
そのまま飲み込まず、次の2つに分けてください。
- 事実の指摘(この手順が抜けていた、期限を過ぎた)→ 直せるので受け取る
- 人格や適性の判定(向いてない、性格的に無理)→ 相手の感想として扱う
1つ目は改善の材料になります。2つ目は、相手に決める権限のない話です。悔しさや落ち込みが残るのは当然ですが、判定として採用する必要はありません。
適性を、診断や占いで決めない
適職診断や占いは、材料としては使えますが、判断そのものを預ける相手ではありません。
診断結果や占いの答えが自分の考えと一致すると、安心します。ずれていると、別の診断を探したくなります。その時点で、やっていることは適性の確認ではなく、すでに欲しい答えがある状態での確認作業です。
占いに判断を預けてしまう仕組みは、「占いに頼りすぎてしまうとき、何が起きているのか」に書きました。仕事のように生活が変わる決定ほど、先に「これは自分で決める」と線を引いておくのが安全です。
決めるのを先延ばしにしないための、書き出し
辞めるか続けるかを決める前に、「いま何がいちばんつらいか」を一行で書けるかどうかを確かめてください。
書けないうちは、材料が揃っていません。ここが曖昧なまま転職しても、同じ理由でまた苦しくなることがあります。逆に、一行で書けたなら、それが仕事内容の話なのか、人の話なのか、消耗の話なのかで、次の一手はほぼ決まります。
一人で書き出していると同じところを回ってしまうときは、外から問いをもらうほうが早いことがあります。ここで使うカードは、向いているかどうかを決めるためのものではありません。いまのつらさに一行の名前をつけるための道具です。ひそひそタロットは、引いたカードを問いに変えて返す形で、自分では向けない角度から状況を見るための道具です。無料リーディングは登録不要で試せます。
誰にも相談できないまま抱えている状態そのものについては、「誰にも言えない悩みがあるとき、どうするか」もあわせてご覧ください。
よくある質問
- 仕事が向いているかどうかは、どのくらいの期間で判断すればいいですか?
- 期間より変化で見るほうが確かです。同じ作業の所要時間が先月より短くなっているか、困る場面が毎回違う場所なのか同じ場所なのか、できるようになってもやる気が戻らないか。この3つが動いていれば慣れの途中で、止まったままなら内容が合っていない可能性があります。
- 上司に「向いてない」と言われました。受け入れるべきでしょうか?
- 事実の指摘と、適性の判定を分けて扱ってください。手順が抜けていた、期限を過ぎたといった事実は改善の材料になります。一方で「向いてない」「性格的に無理」は相手の感想であり、相手が見た範囲の話です。悔しさは残りますが、判定として採用する必要はありません。
- 仕事がつらいのですが、人間関係のせいか内容のせいかわかりません。
- その人がいない日の仕事を思い出してみてください。それなら続けられると感じるなら、仕事内容ではなく関係の問題です。また、睡眠や休みが足りていない状態では、どんな仕事も向いていないように感じます。消耗しているときの判断は判断になりにくいので、先に休むほうが結果的に速い道になります。
- 適職診断や占いで、向いている仕事を決めてもいいですか?
- 材料として使うのは問題ありませんが、判断そのものを預けないほうが安全です。結果が自分の考えと合えば安心し、ずれると別の診断を探したくなるなら、それは適性の確認ではなく、欲しい答えを探している状態です。仕事のように生活が変わる決定は、先に「これは自分で決める」と線を引いておいてください。